瑞慶覧伸哉(滝ヶ原駐屯地)
第18回全国都道府県対抗男子駅伝。
1区の中継所で実況が驚いていたのを覚えている。
「29位沖縄。沖縄の瑞慶覧頑張りました」
29位はあまり良い順位ではないと
思う人が多いかもしれないが
沖縄県民と、駅伝や長距離が好きな人は
実況が驚いた理由がすぐ分かっただろう。
なぜなら沖縄県はこの大会40位台がほとんどで過去最高でも35位と低迷していた。
そんな低迷している中で1区を任されたのは
宮古高校の瑞慶覧伸哉だった。
福嶺中時代には同大会で6区を走り
区間15位という記録も残しており、
まさに沖縄駅伝界のエースだった。
高校卒業後、箱根駅伝を目指し
駅伝の名門・東海大学に進学する。
沖縄ではほぼ負けなしの瑞慶覧だったが
レベルの高い選手が揃う東海大学で
最後まで出場ギリギリのラインで争ったが
出場することは叶わなかった。
現在は自衛隊・滝ヶ原駐屯地で
勤務しながら練習に励んでいる。
「大学の頃は時間がありすぎて、逆に練習に集中できなかった。でも今は勤務しながら練習しないといけないので、限られた時間でいかに良い練習をするかを考えるのが楽しい。」と今の環境を気に入っている。
レベルの高い中で切磋琢磨してきた瑞慶覧は
沖縄の駅伝界について
「沖縄で強いからと満足しないでほしい。速い人はたくさんいる。もっと視野を広げて上を目指して欲しい。」と語った。
瑞慶覧自身も自衛隊で練習を積み
将来は南米に渡り世界最高峰の中で
戦うという目標を持っている。
29位で驚かれる県が駅伝の強豪県になるには
瑞慶覧伸哉の走りにかかっているかもしれない。