比嘉大智(栃木ゴールデンブレーブス)
比嘉大智という投手がいる。
知らない方もいるかもしれないが
知らない方が普通だろう。
なぜなら彼には、実績という実績がない。
比嘉は宮古島で生まれ小学2年生から
東少年ヤンキースで野球を始める。
小学校時代は島内の試合ではほぼ負けなし、
県内でも練習試合とはいえ強豪と言われる
世名城ジャイアンツをも完封するほど力があった。
しかし、県大会には出場できず
高校最後の夏も一回戦で
那覇商業に3-7で敗れた。
そして卒業後、愛知大学野球連盟2部に
所属する愛知東邦大学に進学した。
比嘉はそこでプロを目指すきっかけを
見つけることになる。
愛知大学野球連盟2部に
名古屋経済大学という大学がある。
そこに中尾輝(現東京ヤクルトスワローズ)がいた。
のちにプロに入ることになる投手を間近でみた比嘉は
「とにかく速い。まっすぐでファールを取れるのがすごい。プロを目指す人はこれくらいのレベルまで行かないとダメだとわかった。」と驚いた。
間近でプロに入る選手を感じたことで
自分に足りないものに気づきプロに行きたいという
気持ちが強くなった。
大学では怪我に泣かされて、
満足のいく結果は残せず、クラブチームの
鳥開ベースボールクラブに入った。
怪我も治り思うようなボールが投げれるように
なった頃、転機が訪れる。
セレクションがあり、それに合格し
ドラフト1位で入団を果たした。
栃木ゴールデンブレーブスは元巨人の村田を
はじめレベルの高い選手が数多くいる。
しかし待遇は月10万円程の給料で
1人暮らしととても厳しい。
その環境でも比嘉が頑張る理由は
「怪我に泣かされて思うような投球ができない時も親や周りの友達が応援してくれた。今度は自分が恩返ししたい。何年続けるか自分の中で決めているのでとにかくやるしかないという気持ち」と答えてくれた。
宮古島のスーパースターから
野球界のスーパースターへ。
比嘉大智の挑戦が始まる。